幕末の文化

江戸時代の食事とは?寿司や蕎麦の始まりをわかりやすく解説

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江戸時代の食事とは?寿司や蕎麦の始まりをわかりやすく解説
寿司を描いた錦絵(歌川広重) / 出典: Wikimedia Commons PD-old

寿司、蕎麦、天ぷら、うなぎ。日本料理の代表格として海外にも知られるこれらは、そろって江戸時代の江戸で、しかも屋台から生まれました。今でいうファストフードが、和食の顔になったのです。

目次

江戸時代の食事の基本

庶民の日常は、驚くほど簡素なものでした。

献立内容
主食白米(江戸の町では玄米より白米が好まれた)
味噌汁
漬物、煮物、干物など一品

これが「一汁一菜」です。魚は庶民でも比較的よく食べましたが、獣肉はほとんど口にしません。この栄養の偏りが、江戸時代の平均身長が低かった一因とされています。

一日三食が定着したのも江戸時代です。それ以前は二食が一般的でしたが、照明が普及して起きている時間が延びたこと、力仕事の担い手が増えたことなどから、昼食が加わりました。

江戸時代の寿司は屋台のファストフードだった

現在の握り寿司、いわゆる江戸前寿司が生まれたのは、江戸後期の1820年代ごろとされます。

それ以前の寿司は、魚を米とともに漬け込んで発酵させるなれずしが主流で、完成まで数か月を要しました。これを一気に短縮したのが、酢飯を使ってその場で握るという発想です。

当時の握り寿司には、現在と大きく違う点があります。

  • サイズが大きい……いまの2〜3倍で、おにぎりに近い大きさでした
  • 生ではない……冷蔵技術がないため、煮る・漬ける・酢で締めるなどの仕事を施しました
  • 屋台で立ち食い……1貫4〜8文ほどで、歩きながら食べる軽食です

「江戸前」とは、もともと江戸湾で獲れた魚を指す言葉でした。近海の魚をその日のうちに使うのが、江戸の寿司の前提だったのです。

江戸時代の蕎麦は江戸の国民食

蕎麦は、江戸の町でもっとも身近な外食でした。かけそば1杯が16文というのが、長く定着した相場です。

現代の感覚に直すと、1両を4000文とすれば1杯およそ500円前後。今とほとんど変わりません。

江戸に蕎麦が広まった理由は複数あります。

  • 脚気の予防……白米中心の食生活で不足するビタミンB1が、蕎麦には含まれていました。当時は理屈は不明でしたが、蕎麦を食べる人は「江戸わずらい」になりにくいと経験的に知られていました
  • 手早く食べられる……職人や日雇いの多い町では、短時間で済む食事が重宝されました
  • 屋台で提供しやすい……「夜鷹そば」と呼ばれる夜間の屋台が、町中に出ていました

一方、上方(京・大坂)ではうどんが優勢でした。関東の蕎麦、関西のうどんという分かれ方は、この時代に定着したものです。

江戸時代の天ぷらとうなぎ

天ぷらも屋台料理として広まりました。串に刺した魚介を揚げ、その場で食べる形式です。当時の江戸では胡麻油で揚げるのが一般的で、香ばしさが特徴でした。

火事を極度に恐れた江戸の町では、油を大量に使う調理を屋内で行うことが敬遠され、天ぷらは屋外の屋台で発達したという事情もあります。

うなぎの蒲焼きは、この時代に現在の形になりました。背開きにして蒸してから焼く江戸の製法に対し、上方は腹開きで蒸さずに焼きます。「江戸は武士の町だから腹を切るのを嫌って背開き」という説が広く語られていますが、これは後世の解釈で、確かな裏づけはありません。

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣も、江戸時代に広まったとされます。

江戸の外食文化はなぜ発達したのか

江戸には単身の男性が極端に多いという事情がありました。参勤交代で全国から集まった武士、出稼ぎの職人、日雇いの労働者。彼らの多くは長屋暮らしで、まともな台所を持っていません。

さらに、火事を恐れて煮炊きが制限されていたことも大きな要因です。木造家屋が密集する江戸では、火の扱いが厳しく管理されていました。

その結果、食事を外で買うのが当たり前という文化が生まれます。18世紀後半の江戸には数千軒の屋台や煮売り屋があったとされ、これは同時代の世界的に見ても際立った外食都市でした。

よくある質問

江戸時代の食事は一日何回ですか。 江戸時代に一日三食が定着しました。それ以前は一日二食が一般的でした。

江戸時代の寿司は今と同じですか。 違います。サイズは現在の2〜3倍で、生魚ではなく煮る・漬けるなどの仕事を施したものを、屋台で立ち食いするのが基本でした。

蕎麦1杯はいくらでしたか。 かけそばで16文が長く相場でした。現代の感覚でおよそ500円前後にあたります。

江戸時代に肉は食べましたか。 獣肉はほとんど食べませんでした。ただし「薬食い」と称して猪や鹿を口にすることはあり、幕末には牛鍋も現れ始めます。

暮らしの経済は江戸時代の1両は今のいくら、体格への影響は江戸時代の平均身長の記事でどうぞ。

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