読み物
夜の闇を、妖怪の群れが列をなして練り歩く。逢ってしまえば命は無い — 京の都でそう囁かれた行列の名である。
「百鬼夜行」の名で知られる古い画に、室町期の『百鬼夜行絵巻』がある。そこに描かれているのは牙を剥く鬼ばかりではない。琵琶が、鍋が、傘が、履き古された草履が、目と手足を得て嬉々として練り歩く — 打ち捨てられた器物が年を経て化けた「付喪神 (つくもがみ)」の行列だと伝わる。物を粗末にすれば、いつか物の方が化けて出る。
江戸も中期に入ると、この闇の住人たちに一体ずつ姿と名が与えられる。絵師・鳥山石燕が安永 5 年 (1776) に著した『画図百鬼夜行』である。前篇は「陰」「陽」「風」の三巻からなり、獣や山の怪、火と人型の怪異、得体の知れない大物が、名を添えて淡々と並ぶ。石燕はその後も『今昔画図続百鬼』(安永 8 年・1779)、『今昔百鬼拾遺』(天明元年・1781)、そして器物の化けた付喪神ばかりを集めた『百器徒然袋』(天明 4 年・1784) を重ね、後の妖怪画の下敷きを作った。
江戸オンラインの「百鬼夜行」は、この石燕の図譜を典拠にしている。前篇の三巻をそのまま層の帯に充て、陰の巻の獣たちから登り始め、陽の巻の怪異を抜け、風の巻の大物へ向かう。
妖怪
石燕の図譜から十八体の妖怪が登場
獣と山の怪
山童
刀
網剪
槍
狐火
弓
窮奇
短刀
狸
呪具
河童
手甲
火と人型の怪異
黒塚
刀
飛頭蛮
槍
釣瓶火
弓
鉄鼠
短刀
絡新婦
呪具
鼬
手甲
得体の知れない大物
元興寺
刀
見越入道
槍
しょうけら
弓
わいら
短刀
ぬらりひょん
呪具
牛鬼
手甲
読み物
陰陽師が使役したと伝わる存在。紙の人型に息を吹き込めば、それが立ち上がって主のために働くという。
陰陽道は暦・天文・占いを司る朝廷の学であり、その術者を陰陽師と呼んだ。安倍晴明が式神を意のままに操ったという逸話は説話集や後世の物語に繰り返し現れるが、いずれも伝承であって、そのまま史実として確かめられるものではない。それでも「紙の人型が人の代わりに働く」という像は強く残り、江戸の草双紙にも芝居にも受け継がれた。
江戸の陰陽道は朝廷の官職としてだけ在ったのではない。晴明の子孫とされる土御門家は天和 3 年 (1683) 以後、諸国の陰陽師を統轄する立場に置かれ、暦や占いを生業とする者たちを免許のもとに束ねた。
江戸オンラインの式神は九つの系統に分かれる。典拠は六壬神課 (りくじんしんか) の十二天将 — 白虎・螣蛇・天空・玄武・太常・青龍・朱雀・太陰、そして八方に属さない者の受け皿としての六合。その象意は『占事略決』の「十二将所主法第四」に見える。
式神
形代を呼び出し、妖力や装備を捧げることで進化する。

形代

白虎
力
螣蛇
術
天空
技
玄武
体
太常
器
青龍
運
朱雀
速
太陰
志
六合
百鬼夜行への挑戦と、式神の育成は、際限なく繰り返される。
蝦夷地へ到達した者だけが挑戦できる、妖怪たちの大行列。勝利すると妖力が得られるが、経験値や銭は得られない。到達階層を競い合え。
妖力・装備・銭を祈祷で捧げることで、式神は際限なく強くなる。式神は体の4部位に宿すことができ、式神の能力に応じて対応する部位の装備が強くなる。
妖怪の名と姿は鳥山石燕『画図百鬼夜行』に、式神の系統は六壬神課の十二天将に拠っています。